小さな公園で
「ちょっと来てちょうだい」
結奈はそういうと沙希をつれてとある公園へ連れて行った。
森林あふれるその公園は人があまりいなく静かだった。
歩いて行くと小さな滝が流れている場所へと辿り着いた。
「わぁ素敵!」
「ふふ」
沙希は感激の声を上げると滝に近づき水遊びを始めた。
結奈はそんな沙希を見ると静かに微笑んだ。
この場所につれてきて正解だったと心に密かに思った。
きっとココは沙希が気に入る場所だろうと。。。
「水が冷たくて気持ちいいわ」
沙希はそう言うと結奈の手を引いて滝の元へと誘った。
「紐緒さんも手を差し出してみて!」
やんちゃに騒ぐ声に結奈は手を差し出してみた。
ひんやりとした水に温まった体がひんやりとしてくる。
「さあ水遊びはここまでにして歩くわよ」
結奈はそう言うとさっさと歩き出してしまった。
沙希もそれに続いた。
緑あふれるこの場所は木漏れ日も気持ちいい。
見上げると眩しいほどの木漏れ日が目に入ってくる。
「写真撮りたいわね」
沙希はそう言うと携帯電話を取り出し木漏れ日の写真を撮り始めた。
パシャリパシャリと数枚撮ると結奈に見せる。
「綺麗にとれたかしら」
「そうね」
微笑む結奈の顔を見て沙希は安心して微笑んだ。
その顔を見た結奈は少しドキりとする。
「沙希・・・」
そっと背中から沙希を抱きしめる結奈。
「紐緒さん・・・」
お互いの名を呼び合い愛を確かめ合う。
「そうね、こうしてるだけであなたの心が読める気がするわ・・・」
抱きしめあう・・・重要な愛の表現・・・
結奈は心に刻み込むように感じた・・・。
「さて、帰るわよ」
「うん・・・」
心惜しそうに沙希が言うが結奈はさっさと歩き始めてしまった。
公園を出ると結奈は沙希の手を握り帰りの途についた・・・